STAXのヘッドホン用アダプタの製作

小出力アンプの出力から,STAXのヘッドホンアンプを鳴らすた
めのアダプタを作ります.以前作ったこともありますが,それよ
りもトランスの巻線比の大きなものを使ってダイナミックレンジ
を確保すること,前作はバイアスが500V前後といい加減でした
が,今回はプロバイアス580Vに近いように作ります.

トランスの入手

トランスはルンダールのLL2735B AMの2つです.アモルファス
コアと贅沢しました.

2/6に発注.
2/8に20mAから40mAの4つのversionのうちどれを指定するか
聞かれて,データシート通りの30mAを指定しました.1月くら
いかけて巻いてもらいます.
3/4に代理店に到着
3/8に発送
3/12に受け取る事ができました.



基板の製作

トランスと周辺の回路を少し大きめのユニバーサル基板に取り付
けます.トランスを取り付けると,抵抗はトランスに隠れて見え
なくなります.



小さなユニバーサル基板には,ヒューズボックスと倍電圧整流回
路を実装します.あいている所に抵抗数本を使って分圧し,
580Vを生成します.



ケース加工

フロントとリアのパネルに穴を開け,パーツを取り付けました.
これを元に内部の配置を決めて,底板に穴を開けていきます.



問題が発生しました.トランスの背が高くて箱に入りません.基
板に取り付けるのをやめて,ケースに直接取り付けないといけ
ないようです.ちょっと作戦タイム.

トランスを基板から取り外し,ケースに固定するためのLアング
ルを取り付けました.ほんとは4カ所で固定したいのですが,2ヶ
所で固定します.二次側の端子(真空管アンプ用のトランスとし
ての二次側)は簡単に折り曲げられるのですが,一次側は堅いピ
ンになっていて折り曲げるとベーク板を壊しそうです.このピン
を曲げないと蓋が閉まりません.
ピンは曲がりました.ベーク板は耐えてくれました.しかし,曲
げたピンを再度まっすぐにしようとするとおそらく折れます.作
業を進めます.



基板に取り付けていた回路は,SP端子(入力になる)の周りに配
置しました.



箱への取付

底板に穴をあけ,バイアス電圧を発生させる回路から組み立てて
いきます.電圧の測定は,時間をあけて回路を再度確認してから
です.計算では570Vの予定.



久々に作業再開.

トランスも取り付けました.配線はまだです.かなり重いです.
作業の邪魔になるようなら一旦取り外すかもしれません.



別途作成したパワーアンプと組み合わせて見ました.アンプとこ
のアダプタを接続する3本のショートバーを作ってみました.



音量調整のつまみが操作しにくいところにあるので,通常の音量調
整は,プリアンプの可変出力にこのセットを接続するか,可変出力
のDACにつなぐことになります.

試聴.そして完成


kitamiti@u-aizu.ac.jp