Siemens E235Lプッシュプルパワーアンプ(H15.4.12とりあえず音だし)
E235Lについて
E235Lは、テレビ用の水平出力管EL36(PL36)の同等管です。EL36は
国内でも真空管最後期まで使用された真空管の一つだそうです。
同等管として、EL35,E236Lなどがあります。E235Lはシーメンスとテレフンケンの
ものがあり、手持ちのものはシーメンスです。
E235Lの見ためはEL34の2/3程度の大きさですが、プレート電圧は低いものの、扱える
電流はEL34以上です。低圧大電流の球です。
E235Lは、オーディオ用として用いられた例がほとんどなく、通常の球屋でも
扱いがないためほとんど知られていません。にもかかわらず、この
球の名前を知っている人は、ほとんどのかたが褒めておられます。
大きさ的に似たような球としては、6BQ6, 6G-B6がありますが、電気的にはそれらよりひとまわり
大きくなっています。これらの球との大きな違いは、これら水平出力管の多くが
トッププレートですが、このE235Lは通常の下部のピンからプレート
が引き出されていることです。E236Lはトッププレートになっています。

E235Lプッシュプルパワーアンプの構成
初段は6DJ8系のなかのSiemens CCa(7308相当)
位相反転段はPhilips E182CCによるオートバランス。用いたものはSQ(Special Quality)管。
終段はE235Lの3結、自己バイアスによるプッシュプル
一応、全ヨーロッパ管ですが、もし全Siemensにしたければ、
位相反転段はECC80,ECC99あたりが候補になるでしょう。しかし、CCa同様、これらの
Siemensの本物を手に入れるにはかなりの授業料が必要になるでしょう。
E182CCはいくつかのブランドがあるようですが、ほとんどのものが
Philipsのようで、私はSiemensブランドのものは見たことがありません。
全Siemensアンプは別途作る予定があったので、今回は全球ヨーロッパ
大陸系の球で揃えました。
出力トランスは、タムラF-682 30W 3.5Kオーム
チョークは、タムラA-4003 並列接続1.5H 500mA
電源トランスは、ノグチトランスのタンゴST220相当の容量のトランス。
ただし、通常のST220の両波整流ではなく、倍整流のトランスです。このトランスを倍整流ではなく、
1S2711のブリッジ接続により整流しています。
200-250V800mAくらいの電源になります。現在このような真空管アンプ用の低電圧トランスはあまり
ありません。
現在、無帰還で使っていますがゲインがありすぎです。将来NFB,固定バイアス、
リーク・ムラード型の位相反転にするなど手を入れる余地を残しています。
改造歴
2003.9.15 電源の平滑コンデンサ(200uFx2 x2)を変更(470uF x2)しました。
kitamiti@u-aizu.ac.jp